富士山

富士山

富士山は石川丈山（いしかわじょうざん）によって詠まれたものです。
石川丈山は、江戸初期の武人でもあり漢詩人の一人でもあるのです。また、茶道の心得もあった人物とされています。


富士山の意味を現代風にしてみると、雲の上にそびえている富士山の頂きを眺めていると仙人がいて遊んでいるようにも見えています。また、伝説の存在とも言われている竜までもが棲んでいるようにも見えるのです。地上から見上げてみると、頂きに積もっている雪は白くまるで美しい絹のようでもあり空中へたちのぼっている噴煙は扇の柄のようにも見えているのです。その扇の柄が広大な空へとかかっているようにも見えてとても美しい眺めだ…と言われているのです。

富士山の姿を大きな白い扇のように詠い、頂きの雪を真っ白な絹のように詠われた「富士山」では、眼前に広がっている光景を伝説のものや高級なものにまで例えるほどに美しく見えるというほどに自然の美しさを神聖にあらわされているのです。


実際に仙人や竜などといった存在はたいていの人であれば実際に目にしたことがないにも関わらず、美しい光景を見て例えられることができるというのは発想力の豊かさに優れていたものだと思えます。