事に感ず

事に感ず

事に感ず(ことにかんず)は干濆(うふん)によってつくられた詞になっています。
干濆は生まれも育ちもはっきりしたことは分かっていないのですが現実主義者とも言われており、社会の矛盾を訴えている作品が多くつくられています。詞をつくりあげることには大変腕が立っていたものの浮足立つことは嫌っていたようです。


そんな干濆がつくった事に感ずを現代風に訳してみると、花が咲くとそれを待ちわびていたかのように多くの蝶が枝に集まってくるものであるが、たちまち花が散ってしまうとかつては当たり前のように群がっていた蝶たちも姿をあらわすことは無くなってしまうのです。それに比べて燕は一年前に作った巣を忘れることなく今年もまた姿をあらわして巣に帰ってきてくれたことはとても嬉しく思うものだ…という意味になります。


このなかでは人を蝶と燕の姿に例えて詠われているものなのでしょう。一時の感情だけで傍にいるような薄情者は蝶に、どんなことがあってもけっして崩れてしまうようなことのない厚い信頼や絆といったものをいつまでも忘れずに持ち続けている者たちを燕のように例えているのです。


現代人にとってもとても意味がとらえやすい詞の内容になっていますね。

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